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10月26日(月)放送朝会-読書週間-
今日は放送で朝会を行いました。あいさつの後、今日は、いきなり犬の話から始めました。犬は大昔から人と一緒に暮らしていること。お互いに助け合おうとする関係になっていて、人のために活躍する犬がたくさんいること。例えば、盲導犬、聴導犬、介助犬、セラピードッグ、麻薬探知犬、災害救助犬、猟犬、警察犬、牧羊犬などなど、こんなに人のために働く犬がいることなどを話したあと。
次のような話をしました。
今日は、この中で、災害救助犬の話をしましょう。
大きな地震などがあると崩れた建物の下に埋もれている人を救助するために、救助犬が派遣されます。また、山で遭難したり、行方不明になったりしたときにも出動します。
アメリカにアリーという名前の救助犬がいました。メキシコ大地震の時、アリーは救助に向かいました。
アリーは崩れたがれきやコンクリートの下で生きている人を嗅ぎ当てると、喜び興奮して颯爽と飛び出してきてご褒美をもらいます。ところが、時間がたつにつれていくら捜索しても見つけた人が死んでいる人ばかりになってきました。するとアリーはがっくりと落ち込んでだんだん仕事への意欲を失い、大きな瞳に悲しみの表情を浮かべ、次第に餌も食べなくなりました。
アリーだけでなく、他の救助犬もめっきり食欲がおちていったのです。救助犬はご褒美がもらえると言うだけで救助しているのでなかったのです。自分が見つけた人がまだ生きている、それこそがアリーの生きがいだったのです。見つけた人が息をしていないと知るとがっかりするのです。そのうち、救助に行くように指示を出しても、命令を無視してベッドの下に隠れて出て来なくなりました。
救助隊の人たちは、このままではアリーたち救助犬は、救助犬として働けなくなってしまうと心配しました。そこで、訓練を始めたころのように、がれきの下に人が隠れ、救助犬をそこに連れて行って、わざと発見させるようにしました。救助犬アリーはがれきの下に埋もれている人をみつけると大喜びで吠え立て、出てきて報告に来ました。このような繰り返しでアリーたちは元気を取り戻し、その後も優秀な救助犬として活躍し続けました。
実はこのアリー。阪神淡路大震災やニューヨーク貿易センタービル破壊(9.11)の時にも大活躍した救助犬です。先ほどのメキシコ大地震の出来事から、生存者が期待できなくなるくらいの時間がたつと、救助犬の派遣はストップすることになりました。犬も、生きている人間を見つけ、救助できることに喜びを感じるという、「他人の幸福を喜ぶ」心を持っているのだなと感じました。
このお話は、以前読んだ本「災害救助犬が行く」新潮文庫からのものです。今週から読書週間です。是非たくさん本を読んで、いろいろな心に触れましょう。今週は、図書委員会の皆さんが、低学年に読み聞かせもしてくれるそうですよ。
楽しみですね。これで終わります。
3年生。とてもよい姿勢で聴いてくれています。嬉しいです。
公開日:2020年10月26日 08:00:00
更新日:2020年10月26日 11:54:15